ヒューメイン・インターフェイス/概要(おもに第一章の)

第一章は総論としてこの本の論旨を明確にしていると思うので、3分でおさらいできるよう、さらに要約してみました。
次章以降、これらを掘り下げた話が出る訳ですが、インターフェイスの性能を定量的にはかるためのツールとしてGOMSモデルの紹介をしたり、既存のガイドラインに沿わない、良いインターフェイスとしてZoom Interface Paradigmを紹介したりなど、いくつか興味深い内容があります。

■UIってなんすか
本書で扱うユーザー・インターフェイスとは、人間と機械、もしくは、人間とソフトウエアの間に存在するインターフェイスの事を言う。大体において、今の世の中では、ユーザーインターフェイス(UI)というと、GUIのことだと思いがちだが、必ずしもそれだけではない。例えば、音声認識なんかも、ユーザーインターフェイスの一種として含める。

■簡単なものを簡単なままにしておけ
複雑な操作が必要なものに、複雑なインターフェイスが必要なのは、まぁしょうがないかもしれない。
しかし、現在の機械やらソフトウエアは、インターフェイスが悪いせいで、昔は簡単だったり、あるいは本来は簡単だったはずの操作まで複雑になっていることが多くある。

簡単なことは、簡単なままにしておけ。
インターフェイスがそれを阻害しているならば、そのインターフェイスは間違っている。

■ユーザー中心ではなく、人間中心のインターフェイスを心がけろ
仕事でソフトウエアを作る時、そのソフトウエアが手助けをする仕事に従事している人(ドメインエキスパート)に話を聞いて、その人の仕事が加速するようにソフトウエアをデザインする。
コレ自体は大変結構な話なんだが、ドメインエキスパートの話を鵜呑みにしすぎてはいけない。
コレが使いやすいとか、アレが使いにくい、という判断は、インターフェイスを設計する際に常に発生する議論だが、インターフェイス設計者は、なによりもまず「人間の心理」について知らなければならない。
ドメインエキスパートやあなたが思うほど、ユーザーごとの心理面での反応に差異はない。
人間工学ってのは、割と普遍的な反応の集まりだったりするので、まずは、人間が特定の場面でどのような思考経路をたどったり、肉体的な反応をしめすか、というような事についてよく知り、インターフェイスの設計時に役立てるようにしたほうがいい。

そうすることで、ベテランユーザーにも、新しいユーザーにも使いやすい、よいインターフェイスを作成する事ができるようになるだろう。

■ガイドラインを恐れるな、妄信するな
ユーザーインターフェイスを設計する時、しばしばデザイナーはガイドラインを参照する。そして、デザイナーがそのガイドラインを重視すればするほど、盲目的に選択を行ってしまうことがある。

だが、ガイドラインは嘘っぱちだ。
WindowsやらMacintoshには、ユーザーインターフェイスガイドラインというものがあって、デザイナーは「ユーザーが慣れ親しんだフォーマットで」アプリケーションを作る事が出来る。
だが、ガイドラインには、間違った選択をしちゃったんだけど、習慣として残っているもの、いわゆる経験の下位互換、というものも多く存在する。

なので、ガイドラインにとらわれるのは、やめにしないといけない。
よいインターフェイスを設計するには、古いパラダイムを採用することによる、ユーザーの学習上のメリットと、新しいパラダイムによる作業効率の向上性を天秤にかけて判断しなければならない。

もし、あなたが採用しようとしているインターフェイスに対して、この判断がなされてないなら、ちょっと立ち止まって考えた方がいい。

■最初にユーザーインターフェイスを作れ
その機械なりソフトウエアが出来る事や、その使いやすさというのは、ユーザーから見た場合、すべてユーザーインターフェイスを通して提供されることになる。
言い換えると、ユーザーにとってはインターフェイスがすべてだ。

だから、インターフェイスを最初に実装するのが正解だ。なぜならば、一番しっくり来るように時間をかけて作り直さなければならないのは、インターフェイスだからだ。

プロジェクトの後半でうまいことやればいいや・・・なんてのが、現実的にできた話を見た事がない。
プロジェクトの前半でのやり直しはリスクが低いが、後半になればなるほど、様々な理由で変更しづらくなるからだ。

そして、使いにくいインターフェイスの機械なりソフトウエアは失敗する。なぜならば、使いにくいからだ。だから、プロジェクトが失敗しないように、最初にやっとけ。

■ユーザーの入力は神だと思え
機械にしろソフトウエアにしろ、それは人間の作業を助けるためのものだ。
だから、人間が行った操作を大事に扱い、無駄にしてはいけない。入力が取れませんでしたとか、もう一度やってくださいとか、そういうのは無しにしないといけない。言い換えると、たとえなんであれ、機械なりソフトウエアが、ユーザーを支配するような(ユーザーに命令するような)事をしちゃならん、ということだ。
また、本当に必要な作業以外の作業をさせるような事を看過しちゃならん、ということでもある。


■で、使いやすいインターフェイスって結局なんなの
一言で言うと、「こうなってて欲しいと思うように動いてくれて、ヒューマンエラーに寛容なシステム」という感じだろうか。
とにかく、上記で説明したようなことをふまえ、いわゆる「コンピュータって普通こうだよね」的な思い込みを捨てて、本当に人間の事を理解した環境を提供する、ということができたら、それを「使いやすいインターフェイス」と言う事ができるだろう。

こうしたインターフェイスを作るためには、繰り返しになるが、人間の事と、機械の事を、相互に良く知っておかなければ難しい。

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